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CINEMA News

帝政ロシア最後の皇帝と世界的バレリーナとの禁断の恋を綴る実話に基づくドラマ

「マチルダ 禁断の恋」監督:アレクセイ・ウチーチェリ 原題: Mathilde

 12月8日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA

 他全国順次公開

 ©2017 ROCK FILMS LLC.

ロシア国内で210万人が熱狂したロシア最大のタブーにして最大のスキャンダル。最後の皇帝ニコライ2世と、マリインスキー・バレエ団の伝説のプリマとして謳われたマチルダ・クシェシンスカヤとの「恋」と「情事」を描いた究極の恋愛映画。

 

1800年代末サンクトペテルブルク。皇位継承者であるニコライ2世は、バレリーナのマチルダと恋に落ちる。だが、滅びゆく帝国と共に二人の情熱的な恋は引き裂かれようとしていた。出演は「ブルーム・オブ・イエスタディ」のラース・アイディンガー、「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャンスカ、「ハードコア」のダニーラ・コズロフスキー。撮影監督は「神々のたそがれ」のユーリー・クリメンコ。監督は『チェチェン包囲網』のアレクセイ・ウチーチェリ

振付はペルミバレエ団芸術監督、アレクセイ・ミロシニチェンコ、ダンスシーンはペルミ・バレエ団のダンサーがスタント。

「ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ」

10月中旬、シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

​公式HP http://child-film.com/Jackson

監督・録音・編集・製作:フレデリック・ワイズマン 

原題:IN JACKSON HEIGHTS

©️2015 Moulins Films LLC All Rights Reserved 

ニューヨークがニューヨークであるために、なくてはならない町の今。巨匠フレデリック・ワイズマンの“町ドキュメンタリー”の傑作。

第81回ニューヨーク映画批評家協会賞 最優秀ノンフィクション映画賞受賞、第72回ヴェネチア国際映画祭正式上映作
2015年/189分/カラー/ドルビー・デジタル/ヴィスタサイズ/アメリカ・フランス合作 

配給:チャイルド・フィルム/ムヴィオラ

本作を見る前にみておきたい12本、一挙《2週間限定》上映!

フレデリック・ワイズマン特集上映 〜“アメリカ”へのまなざし

9月1日(土)〜9月14日(金) シアター・イメージフォーラム

主催:ダゲレオ出版/一般社団法人コミュニティシネマセンター 特別協力:ジポラフィルム
協力:特定非営利活動法人山形国際ドキュメンタリー映画祭/アテネ・フランセ文化センター/特定非営利活動法人映画美学校

「新世紀、パリ・オペラ座」

 12月9日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

 公式HP:http://gaga.ne.jp/parisopera/

フランスが誇る芸術の殿堂、パリ・オペラ座。波乱に満ちた時代の転換期に立たされながらも、世界最高のパフォーマンスを観客に届け続けるために美しく奮闘するその姿を、劇場の聖域に入ることが許されたカメラが鮮やかに映し出す。パリ・オペラ座公式プロデュース作品であり、本国フランスでは『パリ・オペラ座のすべて』(2009)や『ミルピエ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』(2016)を抑え、オペラ座を描くドキュメンタリー映画史上最高の動員記録を樹立した。

2017年モスクワ国際映画祭にてドキュメンタリー映画賞を受賞し、国内外問わず評価が高まっている。バレエ団芸術監督が“ナタリー・ポートマンの夫”としても話題となっていたバンジャマン・ミルピエから、カリスマ・エトワールとして長年活躍したオレリー・デュポンに移る新時代の幕開けから始まり、史上最大規模の新作オペラ「モーゼとアロン」の1年間にわたるリハーサルや、公演初日直前の主要キャストの突然の降板劇、それに加え職員のストライキ。次々に待ち受ける難題に、オペラ座を長きにわたり索引してきた総裁ステファン・リスナーは苦悩し奔走する。しかしそんな中でも、世界最高水準のパフォーマンスを届けるために「舞台裏」というステージで粛々とプロフェッショナルとして努める人々の姿も、本作は温かい眼差しで描きだす。そして、この混沌とした中で、ロシアの田舎町から一筋の光となる青年がパリ・オペラ座に現れるのだ―。

彼らのそれぞれの姿が、荒波にもまれながらも決して沈むことはないパリ・オペラ座の強さと揺るがない美しさを物語る。ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」、バルトークの「弦楽四重奏」、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」など豪華な楽曲に彩られながら、皆の想いが結集した圧巻のパフォーマンスに、きっと心震える。かつてない劇場体験がここにはある――。

 

監督:ジャン=ステファヌ・ブロン  

出演:ステファン・リスナー(オペラ座総裁)、バンジャマン・ミルピエ(芸術監督)、オレリー・デュポン(芸術監督)、フィリップ・ジョルダン(音楽監督)、ロメオ・カステルッチ(オペラ演出)、ブリン・ターフェル(バリトン)、ヨナス・カウフマン(テノール)、オルガ・ペレチャッコ(ソプラノ)、ミヒャエル・クプファー=ラデツキー(バリトン)、ジェラルド・フィンリー(バリトン)、ミハイル・ティモシェンコ(期待の新星)

原題:The Paris Opera /2017/フランス/カラー/111分/

字幕翻訳:古田由紀子 字幕監修:堀内修  配給:ギャガ

© 2017 LFP-Les Films Pelléas  - Bande à part Films - France 2 Cinéma - Opéra national de Paris - Orange Studio  - RTS

『ミスター・ガガ 心と身体を解き放つダンス』

2017年10月14日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

フランス映画祭2017 出品作
「セザンヌと過ごした時間」(Cézanne et moi)
2017年9月2日 渋谷Bunkamura ル・シネマ他にて全国順次公開

吉岡たかし

「不遇の天才」といわれたセザンヌ。こんな苦労していたとは、、多くの画家は存命中に栄光をつかんだわけはない。売れない苦悩、しかしひたむきに絵を描き続ける。

眩い太陽が降り注ぐ南仏プロヴァンス、芸術の都パリを舞台に、名画に隠された、激しくも美しい友情の実話

ピカソに「我々の父」、マティスに「絵の神様」と崇拝された、画家ポール・セザンヌ。リンゴを描いた静物画や、生まれ故郷である南仏の風景画は広く愛され、その作品は今も世界中の美術館に飾られている。だが、セザンヌが現在の不動の評価を得たのは、亡くなった後のこと。その“不遇の天才”には、共に支え高め合うライバルがいた。不朽の名作『居酒屋』『ナナ』の小説家エミール・ゾラ。名画と小説に隠された、40年にわたる、激しくも美しい友情が今、明かされる──。

ギヨーム・ガリエンヌとギヨーム・カネ、フランス実力派の名をかけた熱き競演

セザンヌには、『不機嫌なママにメルシィ!』がセザール賞作品賞を含む主要5部門に輝き、今やフランスで絶大な人気を誇るギヨーム・ガリエンヌ。破天荒な言動で周りを魅了するセザンヌをダイナミックに演じた。ゾラには、『戦場のアリア』のギヨーム・カネ。最後は謎の死を遂げたゾラの複雑な人物像を繊細に演じた。『モンテーニュ通りのカフェ』のダニエル・トンプソン監督が、15年に渡る膨大なリサーチの末、長年の夢を映画化。人は喜びも悲しみも、こんなにも美しく確かな形に残すことができる──画家の秘密に心が躍る感動作。

(2016年フランス映画、上演時間:114分、配給:セテラ・インターナショナル)

監督:ダニエル・トンプソン

出演:ギヨーム・カネ、ギヨーム・ガリエンヌ

撮影:YASKEI(上2点)

フランス映画祭記者会見より

フランス映画祭2017 出品作
「ポリーナ、私を踊る」(Polina, danser sa vie)
2017年10月28日 ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷にて上映

 

新倉真由美

 

 フランス期待の新星バスティアン・ヴィヴェスによる漫画「Polina」を映画化した作品。ボリショイバレエ団のプリマを目指す少女が様々なプロセスを経て成長していく様子が丹念に描かれ、バレエシーンもふんだんに登場する。タイトルロールは500名の候補者の中から選ばれたアナスタシア・シェフツォワ。クラシック・コンテンポラリー共に踊りこなせる実力を備え、優れた表現力、強い意志、またミステリアスな雰囲気が役にぴったりと高い評価を受け主役を射止めた。また振付家役のジュリエット・ビノシュ、恋人役のパリ・オペラ座バレエ団の元エトワール、ジェレミー・ベランガール、若手人気俳優のニールス・シュナイダーなどが脇を固めている。

 監督はドキュメンタリーを始め幅広いジャンルを手掛けるヴァレリー・ミュラーと、コンテンポラリーダンスの鬼才で数々の意欲作を振付し発信しているアンジュラン・プレルジョカージュ。ミュラーは脚本も担当した。二人は「強い物語は強い人物から生まれる」という原作者の言葉を忠実に表現すべく、半年の歳月をかけて制作に取り組み、主人公の人生に大きな影響を与えた男性たちとの出会いに加え、教師との絆、両親との軋轢、社会との繋がりなども描き出した。異分野の二人がコラボしたことで、作品に深さとリアリティが加わったと言えよう。

 クラシックバレエとコンテンポラリーダンスはしばしば比較される。クラシックは5つのポジションに始まり厳格なメソッドに基づき、常に体を引き上げ上半身は基本的に固定されている。ドラマティックな作品もあるが、童話などファンタジックな世界を描くことも多い。一方コンテンポラリーは重心が低く、上半身も時に応じ脱力し、可動域も広く縦横無尽に柔軟な動きが求められる。肉体を限界まで酷使し、より人間の内面が描かれ、嫉妬、苦痛、嘆きなどネガティブな感情を題材にすることも珍しくない。

 この映画でポリーナは両親の期待を担い、ひたすらクラシックのレッスンを重ねていたが、ある時観たコンテンポラリーの作品に衝撃を受け、新たな挑戦を決意する。そして、ロシアからフランスに拠点を移し、挫折を繰り返しながらも自分が真に求めている踊りを模索し追求し続ける。紆余曲折を経て男性とデュオを踊るシーンは圧巻。プレルジョカージュ独特の、人間らしさが浮かび上がってくるようなしなやかで芳醇な振付が、舞台ならぬスクリーンの中で息づく。一つ一つの動きや表情、目線・手の動かし方などに彼女の全ての経験が現れる。それは順風満帆で生きてきた人には絶対表現できない。ポリーナがこの先どのような道を歩み、どのようなダンサーになっていくのか、それは観客の想像に委ねよう。バレエをモチーフに、意志強固に自己実現を図っていく女性の人生を描いた秀作である。

(2017年フランス映画、上映時間:108分、配給:ポニー・キャニオン)

監督:ヴァレリー・ミュラー/アンジュラン・プレルジョカージュ

脚本:ヴァレリー・ミュラー

出演:アナスタシア・シェフツォワ、ニールス・シュナイダー、ジュリエット・ビノシュ、

   ジェレミー・ベランガール、アレクセイ・グシュコフ

「パリ・オペラ座~夢を継ぐ者たち~」
 2017年7月22日より 渋谷Bunkamura ル・シネマ他にて全国順次公開      

 

新倉真由美

 

 瞬きをする間も惜しむ86分間、本作は観たい、知りたいと渇望していた物に溢れていた。「オテロの夢」に始まり「至高のエトワール~パリ・オペラ座に生きて」「ロパートキナ 至高の白鳥」等数々のバレエ映画を製作してきたマレーネ・イヨネスコ監督が集大成として完成させた作品、というのも納得できる。単なるドキュメンタリー枠には収まらず、バイブルと言っても過言ではない。

 バレエは過酷な芸術である。トップまで上り詰めるには、天賦の才能以外にも努力では補えない要素が不可欠である。容姿、骨格、身長、品格、美貌…。そしてその全てをギフトとして天から与えられた一握りの恵まれたダンサーが、不断の努力を重ね、振付家や芸術監督との出会いという幸運をもつかみとりエトワールの座を獲得する。地上の人間から見れば、その名の通りまさに遥か彼方で燦然と光り輝く星である。しかし本当の試練はここから始まる。エトワールになったからと言って安穏としてはいられず、その名に恥じぬようさらに厳しい稽古を重ね、より崇高な芸術を目指し自分との果てしない闘いが続くのである。

 本作は2013年にエトワールの座を退いたアニエス・ルテスチュの作品と語りを軸に構成され、エトワールたちによる作品が次々に紹介される。ルテスチュとジャン=ギョーム・バールの「ジゼル」アマンディーヌ・アルビッソンとジョシュア・オファルトの「ラ・バヤデール」さらにロパートキナの「愛の伝説」、コンテンポラリーではウィリアム・フォーサイス振付の「パ/パーツ」やイリ・キリアン振付の「輝夜姫」など実に多彩。

 そして何より貴重なのは普通では決して見られない、それぞれのリハーサルシーンである。指導者たちとダンサーががっぷりよつに組む姿。嘗てエトワールとして君臨してきた指導者は妥協を許さず、後に続くダンサーはその要求に応えようと必死でくらいついていく。先駆者たちはテクニックだけではなく、作品の解釈、役への取り組み方、ルドルフ・ヌレエフに代表される先人たちの残した言葉、更にオペラ座の伝統や精神をも継承していこうと努めている。セルフコントロールの大切さ、ドラマティックな作品ではセリフを語るように踊ること、エトワールになるには香るように舞うことが必要…などなど、ルテスチュを始め教師たちが語る珠玉の言葉の数々は一度の鑑賞では拾い切れず、繰り返して観たい作品である。観る度に新たな発見と学びがあるに違いない。

356年の歴史の中で繰り返し上演されている古典の名作と時代の感受性を捉えた斬新なコンテンポラリーの意欲作は、車の両輪のようにバランスを取りながらこれからもオペラ座を力強く牽引していくだろう。「ラ・バヤデール」のリハーサルに登場したオペラ座学校の子どもたちの輝く瞳が未来を象徴していた。

 この映画で、華やかな本番に至るまでの、地道で険しい道のりを垣間見た人たちが次に舞台を鑑賞する時には、間違いなく一層の感動が加わるだろう。

​(2016年フランス映画、上演時間86分、配給:ショウゲート)

監督:マレーネ・イヨネスコ

出演:マチュー・ガニオ、アニエス・ルテステュ、ウリヤーナ・ロパートキナ、オニール八菜、

   バンジャマン・ペッシュ、ウィリアム・フォーサイス、アマンディーヌ・アルビッソン、

   ジョシュア・オファルト、エリザベット・プラテル、バンジャマン・ミルピエ、

   ジャン=ギョーム・バール、ローラン・イレール、ウェイン・マクレガー、

   ステファン・ビュリヨン、ギレーヌ・テスマー

パリ・オペラ座の改革に挑んだ新作上演までの
40日間のドキュメント映画
『ミルピエ~パリ・オペラ座に挑んだ男~』

2016年12月23日 渋谷Bunkamuraル・シネマにて上映

 

芳賀直子/舞踊研究家

 

最年少でパリ・オペラ座芸術監督に就任し、最短期間で退任となったバンジャマン・ミルピエのドキュメンタリー映画です。「リズムと踊る喜び」が重要と語るミルピエがパリ・オペラ座という歴史と権威のある怪物のような劇場で奮闘する姿を描いています。

 『クリア、ラウド、ブライト、フォワード』の初演までの40日間を密着しているのですが、当時の報道や作品だけでは分からなかった姿が描かれていました。ダンサーのためをと思って行った床の張替、医師常駐システムなど彼なりの考えで行われた改革の片鱗が垣間見えました。一方でオペラ座ではほとんど年中行事といって良いストに憤りを隠せない姿は20年米国で活躍し、パリ・オペラ座の「常識」と違うところで生きていたことも感じさせられました。

また、例えば何でもiPhoneで行い、そのシステム運用を求めるアメリカナイズされた姿も描かれています。フランスのバレエ界に米国人が乗り込んできたのと同じくらいのインパクトだったようで、現場の当惑も描写されています。 

一方で、ネット上に作品を公開する新しいサービスであるサードステージ開設という新風を吹き込む芸術監督としての姿もとらえられています。この運営については経営サイドが期待した自らのカンパニー(L.A.ダンス・プロジェクト)を運営し独自のコネクションを持つ彼ならではの予算獲得の場面も描かれていて印象的です。この活動は退任後も続くプログラムになることが期待されています。

 

 また面白いのは、後に芸術監督の座についたオレリー・デュポンがちらりと出て来る場面でしょう。踊り終わったダンサーへ言葉をかける態度がミルピエとは全く違ういわばオペラ座の伝統と権威にのっとった態度という雰囲気に是非注目してみて下さい。

 

ほとんどの場面がオペラ座内部で撮られていますが、リハーサルを行うスタジオの名前にもオペラ座の伝統が感じられます。リファール、ザンベリ、ショヴィレといった歴史上の伝説的なダンサーの名前なのです。

 

そんな伝統ある劇場の芸術監督の姿がこうして映像として残ったのは初めての事。後に歴史的な証言になる映像という事もできるでしょう。バレエのみならず~様々な視点から見る事のできる豊かな作品ですので、多くの方が楽しめるのではないでしょうか。

 

(2015年フランス映画、115分 配給:トランスフォーマー)

監督:ティエリー・デメジエール/アルバン・トゥルレー

出演:バンジャマン・ミルピエ、レオノール・ボラック、ユーゴ・マルシャン、ジェルマン・ルーヴェ、

   アクセル・イーボ、エレオノール・ゲリノー、レティツィア・ガローニ、マリオン・バルボー、

   オーレリー・デュポンほか

<公演参加クリエイター>
音楽:ニコ・マーリー「拘束のドローイング」

衣装:イリス・ヴァン・ヘルペン

指揮:マキシム・パスカル